『1万円チャレンジ』という挑戦を聞いた事があるでしょうか?
主に海外FX業者を利用した手法で、海外口座特有の高レバレッジ&ゼロカット制度を利用して短期間で1万円を100万円以上の大金に増やす、限りなくギャンブルに近いギャンブルの事です。
前もって言っておくと、僕は経済の事なんて何も分かりませんし、ローソク足を突き詰めた先に見えてくるらしいテクニカル知識もほとんど持っていません。
ほぼ知識ゼロの状態でチャレンジしてみたらどうなるのか――。
FXや株などの投資にイマイチ踏ん切りがつかない方に、贈る記事です。
なぜ海外口座でFXをするのか
- 入金した金額以上に損を負わない(追証なし)
- レバレッジ888倍でトライできる
- ボーナスポイントが豊富
皆さんは、FXにどんなイメージを持っているでしょうか?
僕が参加する前のFXに関する印象は「マルチディスプレイ」「胡散臭い」「電車遅延」と、マイナスイメージのものばかり。実際、投資関連の経験が無い方はほとんどそういう負の印象しか持っていないと思います。
負けが込んで中央線にダイブ、なんて話を聞くだけで躊躇ってしまいますし、どうしても「大負けする」というイメージが強いんですよね。
ダイブの主な要因は、自分の持っている以上の資金以上の負債を抱えてしまう『追証』というものの存在です。
- FXの追証
- 証券会社の口座に入金している額以上の含み損を抱えると、FX会社から追加入金を求められる仕組み
そもそもなぜ自分の持っている金額以上に負けちゃうの?って話なんですが、それは『レバレッジ』という倍々システムが影響しています。
- レバレッジ
- 自分の持っている資金以上の金額で取引できるシステム
- 国内業者:1~25倍
- 海外業者:1~888倍
100万円の金額を全て投資に回したとして、レバレッジを25倍にすると、2,500万円の投資金でトレードする事ができる、というのがレバレッジのシステムです。
その資金でトレードし、勝ちさえすれば問題なく利益分はもらえますが、仮に200万円ほどの損失を負ってしまった場合、本来自分が持っている資金より、100万円足りない、という状況が発生します。これが『追証』というシステムです。
んじゃ、海外FXの888倍ってヤベーじゃねぇか!って話なんですが、実は海外FX(XM)には追証がありません。ゼロカット制度という保証があるからです。
ゼロカット制度というのは、その名の通り、どれだけ負けてもマイナスはゼロカットするよ!というシステム。
1万円の取引で-5万円以上の含み損を抱えたとしても、翌日の朝になったら口座がゼロになります。
この仕組みを利用して夢を見るトレーダーを、巷ではハイレバ戦士と呼び、僕を含めた戦士達は今も1万円~5万円ほどの低予算で夢を見ようと日々奮闘しています。
実際に1万円チャレンジしてみた
1万円チャレンジをするにあたり、僕が開設した海外FX業者はXMです。
理由は特にありません。強いていうならレバレッジがMAX888倍である事と、You○ubeなどで利用者がやたら多かったからです。
口座開設はかなりスムーズに進みます。必要なものは個人証明が出来る書類のアップロード(免許証&保険証でOK)と、勇気だけ。
入金した後、ボーナスを請求したら準備完了。平日であれば、最短1日で取引可能です。
FXと言えばそこそこ良い値段のするパソコンに、複数のディスプレイを表示されて取引するイメージが個人的にはありますが、スマホからでも口座開設は可能ですし、MetaTrader4(もしくは5)というアプリを通じて取引が出来ます。
ちなみに、僕はMacbookAir Mid2013とKindleを利用して取引をしていますが、ソフトの仕様上動作が怪しくなるため、ガチでやるならWindows環境が望ましいです。
口座を新規に開設すると、開設ボーナスとして¥3,000相当のポイントが付与されます。もちろん引き出す事は出来ませんが、このポイントだけでも取引は可能なため、一度試してみたい方は入金する前に0円チャレンジしてみても良いかもしれません。
入金は銀行振込や電子ウォレット系サービスからも可能ですが、一番手軽なのはクレジットカード払いです。ネットショッピングをする感覚で、即入金されます。もちろん、カード払いに特殊な手数料は掛かりません。
手始めに、ボーナス分の¥3,000でちょろっと遊んでみます。
0.01ロットをドル円ロングポジション。要するに、円安へと進めば利益になります。
15分ほど放置すると……
108.921から108.931と円安になりました!10円勝ちです。ヤッタァ……。
その後、とりあえず1万円を入金。
実際に振り込んだところのスクショがこんな感じです。
入金すると、口座開設から5万円までは特殊なボーナスがつき、取引で使えるポイントが100%もらえます。今回は1万円を入金したので、2万円分(+初回口座開設3,000クレジット)の取引が可能になる、という事ですね。
さて、本番です。
通貨もどれが良いか悪いか全く分からないので、日本ではメジャーらしいドル円を1万円で張れる限界(多分0.9ロットくらい)まで購入。後は素直に上がってくれる事を祈るだけです。
そして待つ事約2時間後…….
盛大に爆死。
この後不貞寝し、起きてから確認してみると、証拠金不足で強制ロスカット(資金が足りなくなったら勝手に取引されるシステム)が自動的に入り、最終結果はTOTALで-22,542円。
負けた金額は当然のように入金分から先に引かれるため、残りのポイント分で損失を補って差し引き458ポイントが手元に残りました。
逆に跳ねていれば、という考えは甘い
負けた当時は「逆に売りを入れていれば」とも考えました。
が、ある一定の損失を抱えると発生するロスカットの仕組み上、そう簡単でもありません。
もちろん、買った瞬間にドッと上に跳ねてくれれば、丸々自分の利益になりますが、チャートは常に波打つ様に変動しています。買った直後に急激な下げがくれば、その後仮に爆上げする事があったとしても、その時にはロスカットで退場させられています。
恐ろしいのが経済指標の値動き。
米の雇用統計やISM製造業指数などが代表的なものですが、30分間に1円以上(100pips)の値動きをする事も珍しくはありません。
FXを始める前は「1円なんて大した事ないでしょ」と考えてみましたが、1ロット張った場合だと、1円の動きで1万円。1万円チャレンジを行なっていたと仮定すると、瞬間的に勝敗が決まります。
また、FXは単純に上がった or 下がったの二分の一ではありません。
取引手数料自体は無料の業者がほとんどなので、単純に自分の予想通りの値動きをしてくれたら勝てそうですが、FXには”スプレッド”というシステムが存在します。
- スプレッド
- 取引毎に発生する、証券会社の実質的な手数料。
現在値より約1.7pips(0.017円)ほど不利な状態で約定するシステム
要するに、基本的にFXは負けスタートと言う事です。
海外口座はゼロカットで追証が無く、高レバレッジというメリットもありますが、約定ごとのスプレッド幅が平均して広いというデメリットもあります。
僕のような初心者は、このスプレッド差がじわじわ効いてきて、大抵苦しめられます。
1万円チャレンジで絶対守った方がいい事
ここまで読むと「やめておこう」と留まる方が大半だと思いますが、俺ならイケるというチャレンジャーな方のために、僕が実践して後悔した事を加味し、身に染みた点をまとめておきます。
- レンジ相場はエントリーせず、持つポジションはトレンド相場の順張りのみに絞る
- エントリーが上手く行かなくても、追加でポジションを持たない
- スプレッド差の広い通貨ペアは避ける
- 損切りラインをあらかじめ決めておき、こつこつドカンを避ける
- 堅実に増やしたければ指標を避け、要人発言に備えて30pips程度は耐えられる余裕を持っておく
順張りはせず、逆張りは行わない
エントリーの仕方は、大まかに順張りと逆張りに大別されます。
例えば、こんな感じのチャート(30分足)の時。
長期的に下降トレンドである事がパッと見感じられると思います。
この様な相場状況でショート(売り)に入るのが順張りで、逆にロング(買い)に入るのが逆張りです。
逆張りが上手に決まった時は気持ちいいですが、素人が安易にやると痛い目を見ます。
「チャートの流れには逆らわない」という点を肝に銘じておきましょう。
また、5分足でアップトレンドだからと言って、安易に買いに入る事もNG。
30分足・4時間足・日足など、より長期なローソク足を考慮してエントリーのタイミングを慎重に伺いましょう。
追加でポジションを持たない
慣れるまでは、追加でポジションを持たない事をお勧めします。
「ロングで入ったけど下がっちゃった……けど、ここまで下がったらすぐに上がるはずだから買いだっ!」
と、安易に複数のポジションを持つと、
こうなります。
こちらの失敗は、ISM製造業指数という指標で大幅に下落した際の戻しを狙ったものですが、追加で買った後に更に下がって、大損してます。(ちなみに、この後奇跡的に一時プラス域まで持ち上がるも、大統領の発言でトドメを刺される)
指標で大きな値幅があった時は、大抵が元の価格帯に戻る、”ゼンモ”と呼ばれる現象が起こりますが、いつになるかは相場次第です。
戻しを期待して追加のポジションを持つと、証拠金不足でロスカットの危険性が高まるので、やめておきましょう。
損切りラインを必ず守る事
「損切りが大事」と分かってはいるものの、実際にやってみると、人間は欲が出てしまうもので、膨れ上がった負債を目の当たりにしてしまうと、中々決済ボタンが押せません。
が、数度負けるとその内慣れます(恐怖)
20pipsの損切りラインに対し、30pipsの利幅を設ける、というのが何かのキャッチフレーズの様に浸透していますが、利幅に対してはそこまで気にすることはありません。
ただ、損切りラインだけは如何なる理由があったとしても守った方が良いです。
一番避けたいのは、こつこつドカンという、ありがちな負けパターン。数百円の利益を重ねながら、一度の取引で数千〜数万円がパァになる現象です。
自分の思う様なトレードが出来ていない時点で、戻ってくる保証はどこにもありません。スパッと切って、次のトレードに備えましょう。
スプレッド差が激しい通貨ペアは基本的に避ける
各証券会社ごとにスプレッド差が違うことは前述しましたが、同じ証券会社でも通貨ペア、もしくは時間帯によってスプレッド差が異なります。
僕が現在使用しているXMの場合、ドル円は0.15~0.18銭と海外FXの中では良心的な方ですが、値幅の大きいポンド円などは0.3~0.4銭とかなり広くなります。
長期的な1万円チャレンジを考えている方は気にしなくても良いかもしれませんが、短期間(1日)での売買を繰り返すスキャルピング~デイトレード手法でのトレードを考えている方は、取引の度にスプレッド差に苦しめられるため、控えた方が無難です。
あとがき
詳細は書きませんが、1度目に続き、2度目・3度目も大敗に終わってます。「1万円チャレンジで100万円になりました」というブログも多いですが、わざわざ失敗を晒す様な記事を書かないでしょうし、ほとんどは何度かトライした結果だと考えた方がいいです。
ただ、ある程度リスクを負えば、確かに100万円くらいは1ヶ月で勝てそうな感じはしているので、僕は性懲りも無く続けています。
元々「10万円近くは擦ってもいいや」という考えなので気楽に構えていますが、最初にある程度の損失を覚悟できない人には決してオススメ出来ません。
始めてみると「FXは8~9割の人たちは負ける」と言われているリスキーな理由もわかりますが、夢中になる人の気持ちも分かります。
個人的な一番感じたメリットは、経済に対しての意識が変わったこと。
為替や外国経済事情のニュースがTVで流れても、今まで興味がなくスルーしていましたが、現在ではトラ◯プ大統領の発言で胃が痛くなったり、猫と犬の癒し記事で満たされていたスマートニュースのトップページは、ほとんど経済関連に変わってます。
月に3万円程度のギャンブルと経済知識のための授業料、と割り切ってしまえば、安いものです。
おそらく最初の数万円は僕の様に負けてしまうと思いますが、負ける度に確実に相場感は養われますし、マリンちゃんに数万円投資するよりよっぽど経済的です。
皆さんも是非一度お試しあれ。
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