プラットフォームツールにMetaTraderを導入しているXMを含むFX業者では、口座開設時にMT4(MetaTrader 4)か、MT5を選択出来ます。
どちらも基本的な機能は同じですが、小さなところで違いがあります。
XMで取引を行う際は必ず選んだ取引プラットフォームツールを使用しなければならないため、口座開設時にMT4を選択すると、その口座ではMT4でしかトレードできませんが、XMでは最大8つの複数口座を開設できるため、資金を移動すれば口座の変更も可能です。
この記事ではMT4,MT5両者のメリット&デメリットを挙げていきますが、結局のところ大きなポイントはただ一つ。
EA(自動売買プログラム)を利用するか、裁量トレード(自分で取引)のみなのか、です。
EAの導入予定がある人は迷わずMT4を選ぶべきですし、EAの導入予定が無く、またFXでのトレード自体が初めての初心者は、これから主流になるであろうMT5の方をオススメします。
MT4とMT5の大きな違い
MT4とMT5の大きな違いは、下記の二点です。
- MT4はインジケーター&EAの種類が豊富
- MT5は直感的で使いやすいが、カスタマイズ性はイマイチ
MetaTraderの最大の強みの一つは、豊富な拡張性。
DMM FXや楽天FXを初めとする国内FXでは、オリジナルのトレードツールが提供されていて、どれも簡易的で直感的な操作が可能ですが、MetaTraderの様に自分好みにカスタマイズ出来ない事が欠点。
MetaTraderであれば「移動平均線に触れれば決済」などの自動で売買してくれるシステムや、「直近の重要な高値・安値ラインをチャート上に表示」「ローソク足が切り替わる残り時間を表示」など、取引を優位にできる多種多様なインジケーターやEAが広く公開されており、導入も簡単です。
MT4 | MT5 | |
拡張性 | ◎ | △ |
アップデート回数 | △ | ◎ |
対応FX業者 | ◎ | △ |
指標カレンダー機能 | × | ◎ |
簡易性 | △ | ◎ |
動作速度 | ○ | ◎ |
MT5は2010年にMT4の後継としてリリースされたわけですが、普及が鈍く、現状でもMT4が主流。2018年以降、MT4のアップデートはほとんどされていない(MT5の場合年に10回以上)にも関わらず、使い慣れているユーザーが多いため、今尚活躍しています。
普及が遅れている大きな要因は、MT4とMT5で異なるスクリプト言語(MQL4,MQL5)を利用しているからです。
MQL4を進化させたものがMQL5になりますが、残念ながら完全に互換性があるわけではありません。MQL4(MT4用)でコーディングされたインジケーターやEAは、MQL5(MT5用)では直接使えないので、新たに書き換える必要があります。
そんな事情もあり、「MT5は使えないよ」というFX業者も多数存在します。海外FX業者であるTitanFXなどもその内の一つですね。
冷遇されているMT5ですが、MT4より拡張性が少ないだけで、単体のトレードツールとしては、MT5の方が圧倒的に使いやすいのは間違いありません。
標準で入っているテクニカルインジケーターやオブジェクトの種類もMT5の方が多いですし、表示できる時間足の数もMT5の方が上。重要な指標情報などもMT5上で見れるため、かなり便利。
扱いやすさとしてはMT5の方が断然優れているので、初心者にはMT5の導入を強く推奨します。
MT4のメリット&デメリット
MT4(Meta Trader 4)は、MT5よりバージョンが低く、更新頻度が少なくなっているのにも関わらず、現在でも”主流”と言われている取引プラットフォームツールです。
使用できる証券会社もMT5より多いですし、古参のトレーダーの多くも愛用しています。
- 対応業者が多い
- 追加できるインジケーター&EAが豊富
- EA(自動取引ツール)はMT4でなければ使えない事が多い
MT4とMT5はどちらも同じMQLという言語で動いているのにも関わらず、変数や関数などがところどころ違っています。
トレードをする上で、インジケーターはかなり重要な存在。
移動平均線やボリンジャーバンドなどの超有名どころのインジケーターはどちらも軒並み揃っていますが、問題なのは外部から取り入れることの出来るカスタムインジケーター。MT5はMT4より、圧倒的にカスタマイズ性に欠けます。
「おすすめ インジケーター」とググっても、大抵出てくるのはMT4のものばかり。「※MT5では使えません」というインジケーターが多く、MT5ユーザーはその度に導入を諦めることになります。
僕が個人的に導入したかったのは、MetaTraderで表示されるグリニッジ標準時間を日本時間に直してくれるインジケーター。色々と種類はありますが、どうしても筆者の環境では導入することはできませんでした。
DMM FXのようにシンプルなワンクリックトレードが可能になるツールや、持っているポジションをまとめて約定してくれるインジなどなど、色々なカスタムインジケーターがネット上で公開されていますが、どれもこれもMT5に対応していなかったり、MT5用に作られていたとしても、未更新で使えなかったりします。
どうしてもコレを使いたい!という外部インジケーターがあるなら、MT4を選択しましょう。
- 標準の機能がMT5と比べて不足
- 開発が終了しているため、将来性に乏しい
- Mac版だと文字化けが激しい
MT4を扱う上で、個人的に感じる一番のデメリットは、指標カレンダー機能の有無。MT5では標準で利用できる指標カレンダー機能が、MT4では使えません。同じ様な機能を使うとしたら、外部のEAやインジケーターを利用する必要があります。
デフォルトの状態で使えるインジケーターやオブジェクトの数なども、MT5に劣るため、必要なものは外部から取り入れなければならない手間が掛かります。
また、MetaTraderの開発者であるMetaQuotes社は既にMT4の提供を終了しています。さらなる進化が見込めず、今後の事も考えるとMT5の選択が無難です。
MT5のメリット&デメリット
MT4より新しいのにも関わらず、中々利用者が伸びなかったMT5。
初期は「両建てが出来ない」「EAのバックテストに必須なストラテジーテスターが利用できない」という致命的な欠点があったものの、アップデートの度にこれらの欠点は改善され、今では単体でMT4に勝るプラットフォームツールとなりました。
- 標準のインジケーターやオブジェクトが豊富
- 指標カレンダー機能・プライスボード機能の追加
- Macでの挙動がMT4よりマシ
WEB上で配布されているカスタムインジケーターやEAの数はMT4より劣るものの、標準で備わっているインジケーター・オブジェクトなどはMT5の方が多いです。
時間足設定もMT4の9種類に加え、2分、3分、12時間足など、10種類以上も多いのが特徴ですが、これらは大して使う事がないため、さしてメリットとは言えません。
個人的に嬉しいのは、指標カレンダー機能とプライスボード機能。
下の方にあるメニュー欄の『指標カレンダー』を選択すると、直近の要人発言を含む各国の指標の『前回・予想・結果』の3項目が、ずらずらっと表示されます。
『優先順位』を見ると、変動に影響を与えやすい指標も一目瞭然です。
しかも、一度選択するとチャート上に時間表示されるため、場合によっては一瞬でポジションを狩られる恐れのある『指標忘れ』を未然に防ぐ事が可能です。
MetaTraderの左側にあるデータウィンドウや気配値ウィンドウ欄も進化しており、『通貨ペア』と『ティックチャート』しか表示できなかった部分に、新たに『プライスボード』と銘柄の『詳細』が加わっています。
別通貨の動向を簡単にチェックでき、ワンクリックトレードをONにすればそのまま取引を行えるため、1画面しか利用しないユーザーは重宝します。
- MT5では使えないカスタムインジケーターが多い
- 配布されているEAのほとんどはMT4主体
MT5のデメリットは、やはりMT4でしか使えないカスタムインジケーターやEAが多い事。
2019年になってから、インジケーターは徐々にMT5対応のものも増えてきていますが、EAに関しては圧倒的にMT4が多いです。
裁量トレードであれば全く問題ありませんが、ある程度取引を自動化し、色々なEAを試してみたいと考える方はMT4を選択する方が無難と言えます。
【結論】FX初心者はMT5の選択でヨシ
かつて「使えない子」扱いされていたMT5は、アップデートを重ねて着実にユーザー数を増やしてきています。
多くの欠点を改良し、今ではMT4に劣る要素は「対応するEAとインジケーターの数」だけです。
カスタムインジケーターは使い勝手が良いものもありますが、導入して上手く使いこなせず、結局入れてそのままにするパターンも結構あります。MT5はデフォルトで入っているインジケーターがMT4より多いですし、主要なインジケーターなら標準のもので事足ります。
MT4もMT5も無料のツールですし、XMならば複数個の口座開設も可能なので、一度どちらも利用してみて気に入らない方を使わないのもアリです。筆者自身はMT5で裁量トレードを行い、MT4でEAを試験的に動かしています。
ちなみに、EAはMT5やMT4をダウンロードした時についてくる『Meta Editor』にて作成可能です。MT5であれば、左から4番目くらいにあるボタンから移行できます。
EAもMT5で動かしてみようと、個人的にゼロから作ろうとしたんですが、如何せんMT5関連のEA作成情報がまっっっったく出てきません。海外なら情報はゴロゴロあるんでしょうけど、英検準二級レベルの筆者ではサッパリ理解できません。
日本語で出版している参考書なども全くない状況なので、完全にお手上げ状態です。
楽してFXで稼ぐための道のりは遠そうです……。
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