読者の間でずっと謎だった『ソフィ=シュイム』の正体。
少し前に、その正体に迫る記事を書かせて頂きまして。
ご存知の通り図書館の大魔術師の原作である風のカフナと、その著者であるソフィ=シュイム氏は架空の人物。
その名前から、ある登場人物を指していると仮定した筆者は、ドヤりながら記事を書いたわけですが……
なんと月刊good!アフタヌーン9月号にてソフィ=シュイムご本人が登場されました。えぇ……。
※以下の内容はネタバレを含みます。3巻以降の購読は必須。
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シオフミス = ソフィシュイム説とは何だったのか
ソフィ=シュイムの正体は、まさかの最年長新米カフナ。
新米と言っても30オーバーのお姉さま。最年少が11歳と、カフナを目指して受験するのは10代が中心の様ですから、少し変わった存在である事は確かです。
彼女の初登場シーンでは「???」と名前が伏せられていましたが、まさかソフィ=シュイム本人とは……うーん…
彼女に関してはまだシオと会話した事も無いので、その人となりは謎のままですが、前の記事で触れた考察の一つが偶然とは思えません。
その考察の内容とは、ソフィ=シュイムをローマ字変換して並び替えると主人公であるシオ=フミスになるというもの。
『風のカフナ』はセドナを指していて、自分(シオ)視点で書いた英雄物語だというのが前記事で出した考察でしたが、突如現れた33歳のお姉様にこれらの説はご破算になり、前記事はただの痛い考察に変わってしまいました。
しかし、なーんか腑に落ちないんですよねぇ。
確かにヘボン式ローマ字が存在しない世界のようですし、他に強い根拠もなかったわけですが、偶然一致するというのは絶対にありえない。ソフィ=シュイムの名は故意的に考えられたものに違いありません。
となると、ソフィとシオに何らかの繋がりがあると考えたいところです。
ソフィ=シュイムは何者なのか
そもそもソフィは一体何者なんでしょう。
今現在判明している情報は”33歳の見習い秘書”という事のみ。
「風のカフナ」の著者であるならば、シオ(もしくは他のカフナ)に影響され、いずれは本を書くことになるのは間違いありません。
図書館の大魔術師の世界では、現実世界同様にあらゆる場面で差別が行われています。
基本的にほとんどの民族間(特にニューロン、ホピ、ラコタ族辺り)は仲が悪いようですし、職業上における男女差別のような描写も見られます。
勉強できるなら学者の方がいい
歴史に名を残す可能性があるしなんと言っても富を築ける男なら小説家にもなれる
自分だけの世界を表現するのは快感だろう泉光『圕の大魔術師』-第9話-時鐘のつばさより
こちらの引用は「なぜ司書を目指すのか」と親方がシオに聞く際の台詞。
学者などに比べればそこまで賃金が高い訳でもなく、やたら難関である司書(カフナ)を男が目指すのは割りに合わないぞ、とシオに諭します。
「男なら〜」という親方のセリフをまともに受けるとしたら、これらの職業は女性にはなれない、と捉えられます。明言されているわけではありませんが「女性が小説を書く」事についてはあまり受け入れられていない世界であることは確かでしょう。
シオがこれからの活躍で民族間の差別だけでなく、男女の社会格差なども改新していくとなれば「学者や小説家は男の職業」という概念をぶち壊してくれるわけですから、彼を”英雄”としてソフィが小説を書くことの障壁は無くなりますが……。何となく理由としては弱い気がします。
となると、彼女の正体は重要な秘密が隠されている……はず。きっと。多分。
ソフィ=シオの母親説
真っ先に考えられそうなのはこれ。ソフィ=シオの母親説。
アムン育ちである事は分かっていますが、シオの出生については作中では未だに語られていません。分かっているのはヒューロン族とホピ族の混血であるという点だけです。シオは(可愛い)お姉さんに優しく育てられてきましたが、肌や髪色が大きく異なる点を考慮すれば、血が繋がっているようには見えません。
シオとティファ=フミスの出会いも現状では分かりませんが、1巻の表紙の情報によれば、ティファがアムンの村に辿り着いたのが6年前。別話の扉絵に赤子のシオを背負い森を歩くティファの描写から察するに、二人ともアムンの村出身では無さそうです。
シオがカフナの試験を受けたのが13歳なので、逆算するとシオが生まれた時のソフィの年齢は19~20歳。年齢的には全く違和感はありません。
が、現時点でその他の根拠となる点は皆無。
母親が子供を放っぽり出して、司書試験を受ける行為も謎ですし。
ありそうな展開としては、昔ホピ族の旦那(シオの父)がヒューロン族の虐殺により殺されてしまい、迫害の誘因となった『黒の書』を消し去るために司書になった、とか?
どちらにせよシオとの関連性は今の所アナグラムのみなので、憶測に過ぎませんが。
強いて言うなら最新話でのソフィのセリフから伺えるその性格が、何となくシオっぽいと感じられるくらいです。
アフツァック襲撃の黒幕?
まあ今回は挨拶って事でいいか…
司書試験は受かってると思うし…
この都とは長い付き合いになりそうだしね泉光『圕の大魔術師』-第14話-少年と老婆 中編より
3巻において、本の都アフツァックで人工精霊が暴れる事件がありました。
この事件はシオ(というかウイラ)や守護室のカフナの働きにより沈静化しましたが、抑えられたのは精霊のみで、黒幕である首謀者が捕まった描写は見られませんでした。
奇をてらってソフィがまさかの首謀者かも?と考えましたが、こちらも全く根拠はなし。関連性があるとしたら司書試験に関わったという点のみです。ただ、何とな〜く漂ってくる悪役臭はあるんですよね……。
上記の引用した首謀者のセリフでは、自身が司書試験を受けたと捉えられますが、刺客を試験により送り込ませたとも考えられます。
個人的な推察では首謀者はラコタ族陣営の誰かだと考えています。
考察の根拠は首謀者が精霊を操っていた際にいた家。書院造の様な外観は、ラコタ族の建築様式に酷似してるんですよね。
出典:©︎泉光『図書館の大魔術師』より
司書試験を終えたシオが再びアフツァックに向かう途中、セラーノ族の背に乗ってヒューロン&ラコタの自治区首都を見て回りましたが、その際に空の上から見たラコタ自治区首府『星の都カラ』の家々がまさしく和風。
何らかの関連性があるんじゃないかと、筆者は考察しています。※この説が外れた時は恥ずかしいので、この記事の一部は消えます。
もう黒幕は捕まっているという可能性も捨て切れませんね。
最新話でシオの同期である27人の見習いの内、1名はなぜか教室に来ていません。もしかして尋問中とかだったりするのかも。
これからの見所
前記事では恥ずかしながらソフィ=シュイムはシオであると確信していたため、『風のカフナ』はセドナの事を指していると思っていましたが、まさかのご本人登場で頭が混乱しています。
- シオの出生
- ウイラの正体
- アフツァック襲撃の首謀者及びその目的
- 『風のカフナ』というタイトル
シオ君、ゼニガメと同じ水属性っぽいのに何故『風のカフナ』なのか……うーん。
ニガヨモギの使者による”灰白色の霧”や民族差別や社会的な格差を取っ払う存在になるから『風のカフナ』なのか、後々強くなってナルトみたいに風を使いだすのか、それともやはりセドナ=ブルゥの事なのか……この辺りはもう少し物語が進まないと分かりそうに無いですね。
何にせよ今後の展開が超楽しみです。ここまで先の展開をワクワクして読む漫画は『彼方のアストラ』以来かも。筆者の推しメンであるティファお姉様の出番が少なくなりそうなのが残念ですが……。
それはそうと、図書館の大魔術師3巻が講談社より発売されました!宣伝です。
図書館の大魔術師は世界観が独特で、ファンタジー世界にはお約束の独自の用語もてんこ盛りですが、単行本で買うと本編では分からない細やかなストーリーや用語の解説がされているので面白いですよ!これは本屋に行って買うしかない!
既にお持ちの方は表紙を包むカバーをペロリと捲ってみてください。
第3巻は司書試験後半戦〜アフツァック襲撃事件と、大ボリュームの1巻。物語的にも超面白い展開が盛りだくさんなので、ぜひ手にとって読んでください。あまりの厚さにビビります。
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