- レバレッジは、諸刃の剣そのもの
- Yuzu Tamiya
投資の世界では、当然のように使われているレバレッジ。
皆さんは理解できていますか?
ビギナーの方なら、なんとなく「高いレバレッジはヤバい」というイメージを持っているのではないでしょうか。
その通りです。
と、言いたいところですが、実際にはちょっとニュアンスが異なります。
正しくは、レバレッジを使いこなせない人は(財布が)ヤバい、です。
レバレッジについて簡単におさらい
「レバレッジってそもそも何?」と言う方向けにざっくり解説すると、自分の保有金額以上に通貨を取引出来るシステムの事をレバレッジと呼びます。
もし自分の口座に1万円が入っている場合、25倍だと25万円分の通貨が購入でき、888倍だと888万円分の通貨が購入出来ますよ、というシステムがレバレッジです。
あくまで大きく張る事が可能になるだけで、レバレッジが高ければ高いほど利益、損失が大きくなる訳ではありません。
なぜレバレッジというシステムが必要とされているかは、実際にトレードしてみるとよくわかります。
ドル円が100円の時に通貨ペア100枚購入したとしましょう。
投資金額は合計1万円です。
数日後、ドル円が101円になっていたので、購入した通貨ペア100枚を全て売却。
1枚あたり1円の利益がでたので、合計100円勝ちになりました。
……。
そう、レバレッジをかけて購入金額を増やさないと、ちまちました損益で投資がめっっっちゃつまんなくなります。
ドル円なんて1日で動いても変動幅は40銭ほどですから、なおさらです。
実際の取引で収益額とレバレッジを理解する
XMのレバレッジ888倍で取引した例を見てみましょう。
証券会社:XM
レバレッジ:888倍
購入通貨:ドル円(USD/JPY)
数量:0.01lot(1000通貨)
取引した際のドル円レートは、スプレッドを含め108.698円。
XMの通貨単位は1lot=10万通貨。
本来であれば0.01lot(1000通貨)でも約10万8千円ほどの金額が必要となりますが、レバレッジを888倍に設定しているため、最低入金額を無視すれば、うまい棒15本くらいのお金で0.01lotの取引が可能です。
この前殺人通貨と呼ばれるポンド円を何となく買い、1万円あった残高がゼロカットされたため、現在こちらの口座にはボーナスポイントである700ポイントしか入っていませんが、このポイントのみでも取引を行えます。
数分待つと、108.698円が108.699円になりました。
先程説明した通り、XMの場合だと0.01lotは1000通貨。
実際の取引額は、ドル円のレートに通貨単位を掛けるだけなので、10万8698円が、10万8699円になったと言う事です。
実際に損益額を確認してみましょう。
1円の利益です。
つまり、0.01lotをドル円で買った場合、0.1銭(0.001円)上がる度に1円の儲けになります。
1lot辺りの通貨単位が異ならない以上、レバレッジは888倍であろうと、3億倍であろうと、利益自体は1円です。
レバレッジをかけるデメリット
先程のトレードは1000円以下の残高で取引していますが、これはXMのレバレッジが888倍というかなり高めの設定になっているからです。
残高が800円であっても、XMのような海外のハイレバであれば70万円以上の通貨ペアでトレードできます。
それではレバレッジは高ければ高いほど良いのか、という話になると、素直に「うん」とは言えません。
投資をする上で一番重要な資産管理が疎かになってしまう恐れがあるからです。
- プラスかゼロかのギャンブルトレードになってしまう
- 資産に見合う額以上のトレードをしてしまう恐れがある
- レバレッジを高くする
- 通貨ペアを大量に取引する
- 強制ロスカットラインに到達
- 破産
という流れが、高いレバレッジを掛けたトレードでのありがちなパターンです。
レートに対する損益の変動幅がかなり大きくなるので、その分強制ロスカットラインも浅くなってしまうんですよね。
ハイレバFXは、超短期で一撃ドカンと稼ぐことも可能ですが、成功している大半のトレーダーはコツコツと勝ちを積み重ねてプラスを築いています。
レバレッジを高くする行為自体は、資産管理がしっかり身についていれば何の問題もありませんが、どれだけ変動すればこれだけ値幅がある、という感覚がつかめていないビギナーの内は、資産に見合わない額の通貨ペアを購入して瞬く間に全ロスしてしまう、という害になりえます。
レバレッジを掛ける上で守っておきたいこと
安く買って高く売る――というシンプルなトレードなのに、始めたばかりの人は、ビギナーズラックを経験する前に大抵狩られます。
筆者がFXを始めた理由は、「1万円チャレンジ」という挑戦をネットで見かけたからでした。
海外FXの『ゼロカット制度』と『ハイレバレッジ』を活かし、1万円を100万円以上の大金に変える事を目的とした挑戦なんですが、これが……実際に始めてみると思うように勝てません。
- エントリーした瞬間にロスカットラインを決めておく
- 想定外の動きをしたらすぐに損切り
- 一度の取引で10%以上の資産を失わない
何度も負け続けた経験から、この3つだけはなるべく守るようにしています。
筆者の場合、今までの敗因の多くは大きくロット数を張りすぎてしまった事。
いわゆるギャンブルトレードです。
確かに高ロットで注文すれば1pips辺りの利益は大きくなりますが、当然マイナス方面に傾き続けると、損失もデカくなります。
ドル円の場合だと1ロット辺りの評価損益変動は、0.1銭の値動きで約100円。ドル円の100円が99.9円(-10pips)になれば、あっという間に1万円の損失です。
損切り幅を注文時にあらかじめ決めておけば問題ありませんが、「どうせマイナスになってもゼロカットがあるし」と謎のポジティブ思考に陥り、トレード時には冷静な判断ができなくなるものです。
日に何度もトレードを行うスキャルピングやデイトレードであれば高ロットでの注文も場合によってはアリかもしれませんが、口座残高が5万円に満たない場合は、0.1~0.4ロットくらいが限界だと考えておきましょう。
日を跨いでポジションを持ち越す、スイングトレードを行う際は特に注意が必要です。たとえ長期的な下降トレンドの最中であっても、ある程度の”戻し”は必ず起こります。
0.1ロットくらいなら低予算でもスイングトレードは可能かもしれませんが、0.5ロット以上張るとなると、最低でも10万円以上の口座残高は用意しておきたいところです。
最後に
僕は今でもXMのフルレバ(888倍)でトレードしていますが、ハイレバ自体はあまり褒められたものではありません。
仮に100万ほど自由に投資で使える資金があれば、間違いなくXMではなく国内業者へと移行しています。
スプレッドも狭いですし、税金面からしても有利ですからね。
何より、100万もあればレバレッジ25倍でも充分に勝負できますし。
が、悲しいことに投資金額は出せても10万円くらいまで、という人の選択肢は海外業者くらいになります。
僕は丸々1年間XMにカモられ続けたので、あまりいい思い出はありませんが、ハイレバを活かして稼ぎ続けている人がいるのも事実です。
前述したように、ハイレバトレードで最も重要なのは資産管理です。
負け分を取り戻そうとムキになったり、ロスカットラインを決めず放置していると僕のようにカモられてしまうので気をつけましょう。
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