日本で一番”楽”だと言われる治験バイト。
寝ながら働けるという他のバイトに見ない特異性から、TVなどのメディアに度々取り上げられています。
まだ国から認可の下りていない新薬の効果を検証するために、病院に通院、もしくは入院して薬剤を摂取する被験者になることが仕事内容です。
協力費という形でお金を貰えるわけですが、これがかなり高額。
筆者が行った治験は計3回。
1つ目が4泊5日×1回+2通院で18万円。
2つ目が2泊3日×2回+1通院で13万円。
3つ目が4泊5日×2回+1通院で19万円。
真面目な大学生が1ヶ月でバイトして稼ぎ出す金額とほぼ変わりません。
当時から自堕落な生活を送っていた筆者が「楽なバイト」と検索して探し出したのがこの治験バイト。
多分、この記事に辿り着いた方は「金が無いけど楽して稼ぎたい」と考えていて、同時に「治験ってなんとなくヤバそう」と不安で「治験 事故」とかでググってるような人たちだと思います。
被験者になる事を後押しするわけではありませんが、お金が欲しくて治験に行こうと考えているマウス予備軍の不安を解消するために、体験談を書いてみました。
4泊5日×2回の本試験の流れ
治験申し込み
新薬モニターは、季節を問わず年中募集しています。 都内であればかなりの数の募集を行っているので、案件に困ることはありません。
大抵は治験を紹介しているWEBサイトを経由して登録→病院へ来院、という形式です。
大半のWEBサイトでは、募集案件自体は見れても無料会員登録をしないと謝礼が見られないようになっています。
WEBサイトによって扱う案件が違ってくるので、多数登録して吟味するのが吉です。
詳しくはページ下まで。
WEBサイトで登録を済ませて申し込みすると受付完了のメールが届き、クリニック側から事前検査の連絡(電話)が来ます。
この電話が、安全面を考慮した上なのかものすごーーーーーーく長いです。
アレルギーの有無、過去の治験履歴、病気の有無、摂取している薬品、タトゥーの有無、普段飲むアルコールの量など、事細かく聞かれます。
10分くらいの長電話になりますが、電話をかける側も面倒と感じるのは同じです。大人しく受け答えしましょう。
今回体験談として書く治験はこれ。
4泊5日×2回の、飲み薬の治験です。 当時通っていた寮から自転車で行ける距離という事もあって応募しました。
上記画像の予備待機は、本試験参加メンバーが何らかの理由でNGだった場合に代理として参加する人たちの事です。
大抵は入れ替わる事なく1泊して帰るだけのため、結構割がいいです。
が、残念ながら狙ってなれるようなものでは無いので、選ばれたらラッキー程度に思っておきましょう。
事前検査
文字通り、治験の本メンバーを決めるために事前にする検査になります。
嬉しいことに、検査を受けるだけで交通費という事で3,000円ほど貰えます。大抵は検査終了時に手渡しです。
治験参加者は、想像以上に多いです。
バイト代が高ければ高いほどマウス希望者が群がります。大体平均すると競争倍率は2倍くらいでしょうか。
もちろん、健康な肉体を宿す人が優先的に選ばれます。
僕はイチロー並の体脂肪率(当時)に加え、血管フェチが鼻血を出すほどの注射を挿しやすい静脈の持ち主だったので、1回を除いて全て合格でした。
事前検査前に来るメールには、以下のような注意事項が書かれてあります。
■事前検診2日前 ・ アルコールは禁止。 ・ 筋肉痛になるような運動はしない。
■事前検診前日 ・ 再び参加意思確認のためにメールが配信。 ・ 夕食は遅くとも24時までに食べ終えなければならない。その後は検査終了まで絶食。 (※水・麦茶はOK)
■事前検診当日 ・ 朝食は食べてはいけない。 (※水・麦茶はOK) (※10時間以上の絶食状態で検査開始)
大体こんな感じ。 ちなみに、『参加できない方』という項目にスギ花粉症と喫煙者という項目がありましたが、ほとんど自己申告制のようなものみたいです。
中度の花粉症の筆者が前日にタバコを吸って事前検査に望んでも、特に問題なく検査をスルーしました。もちろん、全てのクリニックで通用するわけでは無いので参加資格はしっかりと守っときましょう。
検査内容は、一般的な健康診断とほぼ同じです。
血圧・心電図・採尿・採血・身長体重測定・問診が主な内容になります。
検査自体はスムーズに進みますが、被験者をビビらせないための「治験は安全だよ!」って感じの説明も加わるので、2時間以上は掛かると覚悟しておいたほうがいいです。
本試験スタート
本試験グループに選ばれると、治験申し込み時に選んだ日程で治験スタート。
筆者の参加した治験は4泊5日×2回のものですが、どんな治験内容であっても似たようなものです。
1日目は、事前検査と全く同じ。2日目から新薬(もしくはプラセボ)投与になるんですが、そんな事はどうでも良くなるくらいの採血ラッシュが始まります。
まず起床してすぐにプスリ。
朝食は抜きで昼頃に投与開始でプスリ。
投与開始して15分おきにプスリプスリプスリ。
夕飯を食べて寝る前におまけにプスリ。
どれだけ少なくても、1日に5回以上は確実に採血があります。
僕の場合は4泊5日の治験だったので、2日目と3日目が地獄でした。
最終日になると、どれだけ可愛い看護師に射ってもらったとしても嫌いになります。むしろ、採血の上手いベテランのオバさんの方が好きになります。
投与日から徐々に採血ペースは落ち着いていき、4日目になるとほとんどありません。 と言っても朝・昼・夜の3回は確実にあるので、ただ単に感覚が麻痺してるだけです。
2回や3回セットの治験は、以上の流れの繰り返しになります。
最終日になれば、協力費をもらって退散。 受け取りは治験終了日に現金でもらったり、後日に振込であったりと様々ですが、大抵は後者になります。
治験中の生活について
新薬投与日は検査で結構慌ただしいですが、それ以外は噂通り寝てるだけです。 なので、いかに暇を潰せる優秀な設備が整っているかが重要になります。
その辺の情報は5chか何かで調べてみるといいでしょう。マイナーなとこだと出てくるとは限りませんが。
院内での設備
院内に用意されているものは、下記のようなものです。
- 漫画・小説・実用書
- TV(共用)
- TVゲーム(共用)
- ボードゲーム(友達がいないと出来ない)
- DVD(ポータブルプレーヤーの貸し出しがあったりする)
1人で来る方が大多数なので、大抵の被験者は漫画をチョイスします。
長期の治験で無い限りは、お互い干渉しようとしません。 これが10泊以上とかの長い治験になると、友情が芽生えて一緒にスマブラをしたり、交代しながらメタルスライム狩りをしたりするようになります。
漫画の数も病院によってかなり差があります。 これらの漫画は過去の治験参加者が寄贈していくんですかね……。
漫画がRAINBOW(刑務所脱獄系)とか、アカギなど、どことなく匂わすようなジャンルばかりでした。
漫画が好きな人であれば時間つぶしに困る事は無いでしょうが、そうでない人はPCなり小説なりを持っていった方が無難です。
倒れたりする奴は見た事が無い
冒頭で述べたとおり今まで計3回の治験に参加しましたが、新薬投与が原因で泡を吹いて倒れたり、急に頭を激しく振り素数を数え出して途中退場になった被験者は見た事が無いです。
というか、あったら怖すぎて2度と行ってません。
もちろん、絶対に安全とは限りません。健康な体にわざわざクスリをぶち込むわけですし、予想される副作用とかも事前検診でもらう冊子に丁寧に書いてあります。
至る所に観衆の目が向けられる現代社会で報道されないって事は、そういう事です。
僕自身も頭痛がしたとか、腕に妙に長い毛が生えてきたとかっていう妙な副作用は全くナシ。
強いていうなら変な奴は結構います。
共用スペースで1人でジェンガをしていたり、ワンピースの17巻を見て独り言を言っていたりするような人は、20人くらいの治験になると必ず出てきます。
ま、関わりさえしなければ被害はないので、特に気にする必要は無いです。ベッドが隣にならない事だけ祈りましょう。
面白い人も結構見てきたので、この辺はいつか記事にしたいなぁ。
最後に
都内、関西、九州方面であれば多く募集しているので案件を探すのに困る事は無いかもしれませんが、地方になると案件数はかなり少なくなります。
僕が使っていたサイトはJCVN治験ボランティア と、大手のCVS。
この二つに登録すれば都内で探す分には困らないと思います。
地方在住でどうしても見つからないのであれば、近所にあるクリニックのホームページを確認して治験モニターを探すのも一つの手段です。
他にも色々な治験サイトがあるので、その辺は別記事を参照していただければ。
おしまい。
ついでに見る記事↓
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