なぜ損切りは難しいのか。身につけるべきは資金管理術!

loss-cut 投資

「勝てる人は1割、残りの9割は負ける」

と株やFXなどの投資ではよく言われています。

 

安く買って、高く売る。

それだけの事なのに、なぜか最終的には8割以上の人は負けて「勝てない」と言い残して相場の世界から去っていきます。

トレードスタイルにもよりますが、FXや株において、最も重要なのは損切りと、それに伴う資産管理です。

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なぜ損切りは難しいのか

皆さんは、プロスペクト理論をご存知でしょうか。
投資では有名な話で、僕の数ある投資における経済参考書の中でも聖書として君臨する『FX戦士くるみちゃん』でも紹介された理論です。

 

説明の前に、簡単な実験例でテストしてみましょう。

prospect1

例題1

Qどちらか片方を選ぶとしたら?

  • A 100%の確率で270万円が手に入るバッグ
  • B  90%の確率で300万円が手に入るが、10%の確率で空のバッグ

ノーリスクで手に入る270万円か、リスクを背負って増額された300万円を得るかの選択。

続いての例題は、損失がある状態で考えてみましょう。

例題2

Qどちらか片方を選ぶとしたら?

  • A 100%の確率で270万円の借金を背負う
  • B 90%の確率で300万円の借金を背負うが、10%の確率で借金が0になる

prospect2

筆者はAの100%の確率で270万円が手に入るバッグを選び、例題2で0になる可能性があるBを選択しましたが、皆さんはどうでしょう?

 

統計によれば、ほとんどの人が僕と同じように、例題1ではノーリスクで取れる270万円を選び、例題2では30万円が確定で減額されるAの借金よりも、10%で借金がチャラになるBを選択するそうです。

期待値は例題1も例題2も、AとBで変わりません。

にも関わらず、利益が手に入るなら手に入らないリスクを回避し、損失が発生するなら損失そのものを回避しようとする傾向にあるのです。

 

これがプロスペクト理論の大まかな実証例。

FXで損失が出ても「レートが戻ってチャラになったら」と損切りを先延ばししてしまう行為、また、利益が十分に出ている中、利益が減ることを恐れ、当初の想定より早く利確をしてしまう行為などがそれに当たります。

潜在的に損を避ける事を優先する、という行動がプロスペクト理論のミソで、損切りが難しい理由の一つです。

損切りを完璧に行うには?

前述した理論で言われている通り、損切りが出来ない大まかな原因はメンタル的な部分から来ています。

「もう少し上がればプラマイ0」

「これだけ損失が出ていれば今更切れない、戻るまで持とう」

なんて事を考えて祈っても、大抵はうまくいきません。

 

僕も運否天賦トレード勢だっため、気持ちは大変よく分かります。

しかし、数十万円も負け続けると考えも変わり、真っ先に意識を持つようになった損切り(と資金管理)に関しては、ある程度自信を持ってトレードできています。

1年近くXMに貢ぎ続けて学んだことは、放置する勇気です。

全てをエントリー時に完結させる

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各個人のトレードスタイルにもよりますが、僕が最もおすすめする損切り方法は、エントリーした瞬間にストップロスを入れること

利確(テイクプロフィット)も同様に「ここまで伸びるだろうな」と想定し、ポジションを持った瞬間にあらかじめ指値を入れておきます。

 

あとは放置。
チャートも見ない。

もし他に値動きが気になる通貨ペアがあれば、スマホの楽天FXやDMM FXアプリでアラームを仕掛け、エントリーのタイミングが来た時だけ対処。

コンマ何秒という瞬間的なトレードを行うスキャルピング勢以外は、24時間チャートに張り付く必要はありません。

 

MetaTraderさえ開かなければ、完全に放置さえできれば、プロスペクト理論やらフレーミング効果やらはトレード中に影響しません。

とにかく放置し、「損切りは勝手にされている」という感覚に慣れましょう。

損失額を最初から想定しておく

二点目に重要なのは、損失額をあらかじめ念頭に入れてエントリーを行うこと。

僕がもしFXの教科書を著すとしたら、真っ先に書くことは資金管理についてです。

 

某国の著名なファンドマネージャーは、部下に『どんな取引でも1%以上のリスクをとるな』と指示しているそうです。

全資金が100万円なら、1万円に抑えて損切りしろ!って感じですね。

 

個人投資家にとっては少し厳しすぎるような気もしますが、このような資金管理におけるルールの徹底は何より重要。

投資では当然、勝率を上げて利益を積み重ねることが大事ですが、それ以上に損失を抑えなければ意味がありません。

たとえ100回のエントリー中、99回勝ったとしても、最後の一回で全溶けしてしまえば終了です。

たった数回の損失で全てを失わないためにも、エントリー時にある程度の許容損失額を決めておく必要があるのです。

 

経験則ですが、1度の取引で全資金の30%以上の損失を出すと、大抵はやる気がなくなって全溶けまっしぐらになってしまいます。

多くても全資金の10%くらいには許容損失額を抑えて、控えめなロット数でトレードを行うようにしましょう。

長生きのコツは資金管理

相場の世界で一番大切なのは、経験を積むこと。これに尽きます。

スポーツや勉強と一緒で慣れていくうちにコツをつかみ、いずれは負けにくくなるものだと思っています。

 

そのためには実際のお金を掛けてのリアルトレードは必須ですし、ほとんどの場合最初の資金は溶けますが、資金管理さえしっかりと念頭に入れておけば、初期投資のロスを少しでも抑えることは可能です。

「10万円を3百万円に増やす」という目標よりも「三ヶ月後まで生き残る」という目標の方が達成できそうですが、初心者にとっては同じくらい難しいことだと思います。

 

まずは少額の損切りに慣れ、総資金に応じてロット数を調節できるくらいの経験を身につけることからスタートしてみましょう。

この記事を書いた人
ゆず

沖縄離島在住の30代。東京のマンモス大学を卒業後、リゾートバイトで各地を転々とし、南の島に落ち着く。
主にQOLを高める情報を発信中。好きな麻雀の役は「一発」。

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