2018年7月20日。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の特報映像が全国の映画館で流れ、2020年に公開予定であると明らかになったようです。
TVアニメ版『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年〜1996年)のリメイク作品として放映された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ。全4部作の構想で、2007年に『序』で始まり、続編として2年後に『破』、さらにその3年後に『Q』(2012年)が公開されました。
中々出ない続編の情報に、んじゃ次は2、3と続いてるから4年後かな?と期待していた視聴者は、2016年に入って制作中止のデマが流れて絶望し、2017年に入って『Q』を皮肉って”14年後”になると達観するようになりました。
そんなエヴァが!
とうとう公式ホームページでも公開年を発表しました。
この特報映像は全国の劇場で放映前に流れたため、同日に公開された細田守監督のアニメ『未来のミライ』を鑑賞しに行った視聴者から数多くの報告がSNS等で拡散されています。
未来のミライ、凄かった。
だってエヴァが、遂にエヴァが観られるんだよ。
本当に…生きている間に観られるとは思っていなかった…
2020年はオリンピックとか言ってる場合じゃなくて、エヴァ観なきゃ。エヴァ。— コウキ-空の青さに還りたい人- (@coki_s) 2018年7月20日
未来のミライ関係ねぇww
ツイッターで『未来のミライ』と検索すると、このように出てきました。
完全に食われてますね……。
まぁ、気持ちはとてもよく分かります。エヴァファンなら誰しもが理解できるはず。
TVアニメ版で最後の方の話が全く理解できず、続いて公開された旧劇場版でさらに謎が増え、新劇場版『序』と『破』でアニメ版との微細な変化に首を傾げ、『Q』で「カヲル君が何を言っているかわからないよ」と叫ぶシンジ君に、俺もわかんねぇ!と多くの人が思ったに違いありません。
中々明かされない作中の単語の意味と、謎多き設定。
ネタバレも考察も無しに全ての作品を観た視聴者なら、意味わかんねぇ。と必ず同じ気持ちになると思います。
しかし、これこそがエヴァの魅力なんでしょうね。
少しでも話を理解したい視聴者は、答えを求めて続編を渇望する。
6年間公開の情報すら無かったその心情は察せられる部分がありますね。いやぁ、観終わったのが最近でよかった。
忘れた方のための劇場版『Q』までの予習
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
未曾有の大災害、セカンドインパクトによって人類の半数が死滅し海が赤く染まるなど、至るところで破壊の爪痕が残る世界。それから15年後、父親に呼び出された碇シンジの前に突如として使徒が出現する。
3年ぶりにあった父親に「エヴァに乗れ」と言われ「いやだよ」とぐずるが、葛城ミサトにまで「乗りなさい」と真顔で言われた挙句、もう一人のパイロット(綾波レイ)がボロボロな状態でエヴァに乗ろうとする場面を目撃し、碇シンジはエヴァに乗り使徒との戦いを決意する。
辛勝したシンジであったが、第4、第5と次々新しい使徒が襲いかかってくる。
エヴァに乗る事で同級生に殴られ、さらに使徒に殺されかけると散々な目にあうシンジは「もう乗らない」と搭乗を拒否するが、NERVの使命(リリスと使徒との接触を避け、サードインパクトを起こさない事)を知り、なんだかんだで乗って戦う。
第6の使徒を全国から集めた電力を放射する「ヤシマ作戦」で撃退し、カヲルくんが月にある棺から目覚めて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』へ続く。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
なぜか苗字が変わったエヴァ弐号機のパイロット、式波・アスカが来日して使徒との死闘に参戦。TVアニメ版では出てこないマリ・イラストリアスも初登場するなど、物語や細かい設定が旧劇場版やアニメとは異なり、視聴者を困惑させる作品。もちろん、詳細は作中で明かされる事はない。
アスカの搭乗していたエヴァが使徒に乗っ取られて暴走。碇ゲンドウに撃破指示を出されたシンジだが、中にアスカがいるため拒否する。戦意喪失したシンジに代わり、ダミープラグ(オートパイロット機能みたいなやつ)を起動させ、初号機が参号機を破壊。
無理やりアスカの乗っているエヴァが壊された事に怒ったシンジは「もう乗らない」と搭乗を拒否するが、綾波レイが操縦するエヴァが新しい使徒に食われて、なんだかんだで乗って戦う。
レイを第10使徒から死に物狂いで救い出そうとするシンジであったが、その過程で知らずの内に擬似的なサードインパクトを引き起こしてしまう。
セカンドインパクトの再来となってしまうところを、6号機に乗ったカヲル君が初号機に槍投げし食い止め、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』へと続く。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の後半から、TVアニメ版とは大きく設定が変わっている本作品。
前作から14年間の時が経ち、その過程でNERVと決別した葛城ミサトが「ヴィレ」という新組織を作り、「人類補完計画」を目論む碇ゲンドウ(NERV)とゼーレに対抗している。
ヴィレによって救出されたシンジは、ニア・サードインパクトを起こした後の14年間の記憶は全くなく、姿形も変わっていなかった。そして、ヴィレの搭乗員のほとんどに嫌われていた。
何の説明もなく、「エヴァに乗るな」とミサトにさえ冷たくされて混乱しているシンジの元に、レイが操るMark.09が現れ、シンジは迷わずレイの誘いに乗りヴィレから離れ、NERV本部へ向かう。
荒れ果てたNERV本部に到着すると、碇ゲンドウに新造中の「13号機」に乗れと命令を受ける。もちろん、特に説明はない。
命令実行まで特にやる事も無かったシンジ君。カヲル君と出会い、ピアノの連弾を通して仲良くなる。
そして、仲良くなったカヲル君に自分がニア・サードインパクトを起こした事を聞かされ、絶望する。さらに、レイはまだ初号機にいる事、今のレイは複製体であるという真実を知る。深く傷ついたシンジ君は「もう乗らない」と搭乗を拒否するが、カヲル君に「世界をやり直せる」と諭され、なんだかんだで乗って戦う。
2本の槍(ロンギヌスとカシウスの槍)を使う事で『何か』を行おうとするカヲル君だったが、リリスに刺さっていた槍は、両方ともなぜかロンギヌスの槍。ゲンドウの策略に気付き、計画の中断を提案するカヲル君だったが、混乱状態のシンジは当初の計画通り引き抜いてしまう。
やり直すどころかフォースインパクトの前兆が現れ、「魂が消えても、願いと呪いは世界に残る」、「また会えるよ、シンジ君」とカヲル君が意味深なセリフを言い、自殺。何を言ってるのかわからないシンジ君は、さらに錯乱状態に。
マリが放心状態のシンジを13号機から排出し、ギリギリのところでフォースインパクトは停止。
何となくやらかした事だけは分かるシンジ君。アスカが罵って、次作へ続く。
めちゃくちゃ端折りましたが、大体こんなとこです。
シンジ君、もうさすがにエヴァに乗れないんじゃないか?
公開に懐疑的な声も
各地で喜ばれているエヴァの公開年の決定ですが「どうせ遅れる」、「完結するわけない」などの否定的なコメントも多数みられます。
おはようございます。
失礼します。エヴァは決まってから、
最低でも2年は公開延期になるのが通例です。
ご注意ください。— ばんぱく (@barnpack) 2018年7月20日
実はこのエヴァンゲリオン劇場版シリーズ、当初の発表では全4部作で1作目が2007年初夏、2作目が2008年陽春、3、4作目は同時上映で2008年初夏とアナウンスされていたようです。
ご存知の通り『破』で1年遅れ、『Q』で3年遅れています。
このような経緯から、「エヴァの延期は通例」だとか、「監督、逃げちゃダメだ」とネットでの書き込みが多く見受けられるようになっているみたいです。
2020年に公開だとすれば、当初の予定から12年遅れ。
話題性の高い作品の完結編だけに、監督のプレッシャーは相当なものになってそうですね…….。
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