2006年にPS2専用ソフトとしてスクエア・エニックスより発売された『ファイナルファンタジーXII』
全てのモブを倒す前にPS2が故障し、ヤズマットに挑めなかった苦い過去。
Switch版が発売されている事を知り、過去の思い出をぶち壊すべくコロナ自粛生活中にやり込んでみました。
約14年越しのプレイ。
FF12、超面白くなってます。
新規プレイヤーはもちろん、僕のように途中で挫折してしまった方、一度プレイしてもストーリーがいまいちよく分からなかった方、ジャッジ・マスターの顔と名前が一致しない方々に、是非ともお勧めしたい一本です。
オリジナル版との大きな違い
ストーリー自体は変化がありませんし、新たにモブが追加されたりもしていません。
が、Switch(もしくはPS4)のゾディアックエイジは以下の3つのシステムの導入で、全く新しいゲーム性を楽しめます!
- ジョブシステムの導入
- トライアルモードの追加
- やり込み要素の追加
リマスター版が頻繁に出るFFシリーズですが、大抵はおまけ程度の追加要素・ゲームバランスの修正があるだけ。
しかし、FF12はこれら3つの要素で他のナンバリングにないリメイクを味わえます。
自由なキャラ育成を楽しめるジョブシステム
ゾディアックエイジは、FFシリーズではお馴染みの白魔道士や黒魔道士などのジョブを選び、キャラクターを成長させていきます。
モンク | ブレイカー |
弓使い | 時空魔戦士 |
黒魔道士 | もののふ |
シカリ | 白魔道士 |
赤魔道士 | ウーラン |
機工士 | ナイト |
これら12種類のジョブで得られるライセンスボードの能力はそれぞれ異なるため、キャラクターによって個性が出るのがゾディアックエイジの特徴です。
耐久力を高く設定したいのであれば、HPMAX+の多いモンクを選べばタンク役になりますし、後方支援に徹したければ白魔道士や黒魔道士が覚える魔法で戦闘を優位に展開できます。
オリジナル版ではレベルを99にしてライセンスボードを全て埋めてしまえば、キャラクターによるステータスの違いはほとんどなく、装備の違いのみでしか個性差は生まれませんでしたが、ゾディアックエイジのジョブシステムの複雑性は、多様なキャラクターを生み出せます。
HPが低くなりがちなパンネロをモンクにしてゴリゴリの前衛にしても構いませんし、黒魔道士にして、MPの高さを生かすのもアリ。滑舌の悪いヴァンをブレイカーにし、魔法を一切唱える事が出来ないキャラにさせるのも可能です。
ストーリー中盤からは既存のジョブから二つ目の新たなジョブを選択出来るため、より複雑なキャラ育成を楽しめます。
トライアルモードの追加
プレイ中の本編データを使い、全100ステージのトライアルモードをチャレンジする事ができます。
レベル99のチョコボと戦えたり、本編ではバーフォンハイムから動く事のないリッキーやエルザが敵として登場することも。
- いつからでもプレイ可能
- 経験値は入らない
- LPが楽に稼げる
- トライアルモードで得たアイテムは、本編へ持ち越せる
トライアルモードの大きなメリットは、本編へと取得したアイテムを持ち越せること。
毎ステージ固定配置されているトレジャーから様々なアクセサリ・アイテム・魔法などを取得でき、敵からは本編で一度しか入手できない強力な武器や、タイミングを逃すと二度と取ることが出来ない源氏シリーズなどの防具を盗めるため、コレクターはプレイ必須。
また、LP稼ぎ・金策が容易になるため、序・中盤で攻略に詰まってしまったプレイヤーの救済措置としても機能しています。
経験値は一切入らないため、低レベルなどの縛りプレイの敷居が低くなっているのも魅力の一つです。
強くて&弱くてニューゲームの追加
本編ストーリーをエンディングまで進めると、強くてニューゲームで無双できます。
初期レベルが90&前データのアイテム・LP・ギル持ち越しの状態でスタートとなるので「ストーリーのみをもう一度見直したい」という方や、特定の敵から素材を盗み損ねたり、サブイベントをうっかり消化し忘れてしまったコレクターにとっては素晴らしい機能です。
ルース魔石鉱でバッカモナンから逃げる必要も無くなります。
個人的に一番嬉しかった機能は『弱くてニューゲーム』の追加。
トライアルモードを全100ステージクリアすることで選択可能で、経験値が一切入らない特殊なモード(LPは取得可)をプレイできます。
最初からこのモードで良い、というくらいFF12を楽しめます。
ジョブとライセンスボードの埋め方を考え、取得できる装備やアイテムを効率的に生かさなければ、完全クリアは困難。
通常プレイは高レベル&槍か剣で適当に突いていればクリア可能ですが、低レベルではそうもいきません。今まで使用しなかったアイテムやアクセサリ、魔法が活きてきます。
低レベルでも、工夫次第で全ての敵に勝てる事がFFシリーズの素晴らしいところです。既プレイの方は是非お試しあれ。
追加要素でよりストレスフリーに
上記以外でも、Switch版にはオリジナル版とは異なる新要素がプラスされています。
- 新武器の追加
- ガンビットシステムの改善
- 倍速モード&ロード時間の短縮
- オートセーブ
オリジナル版の最強武器と言えば『最強の矛』でしたが、インターナショナル版からのFF12にはさらに強い武器が追加されています。
悪名高き”ザイテングラート”などの透明武器を初め、10種類以上。
収集に骨の折れるものばかりですが、Switchでも「RNG Cure List」を利用した乱数調整はある程度可能なため、手軽にぶっ壊れ装備で遊ぶ事ができます。
ガンビット・システムの改善
FF12と言えば、ガンビットシステム。
オリジナル版では後半まで行かないと微細なガンビットシステムを買えませんでしたが、Switchのゾディアック版であれば、ラバナスタで全種類購入できます。
また、武器と同じようにこちらも15個ほど追加されているため、さらに細かいシーケンスを組む事が可能になりました。
敵ごとにガンビットを設定し直さなければならない点がオリジナル版では煩わしさを感じていましたが、1キャラクターに3パターン設定できるようになり、より使いやすくなっています。
時間短縮機能の進化
素材集め、ザイテングラートマラソンなどの要素で、「FF12はマラソンゲー」とよく揶揄されますが、改善された時間短縮機能によりマラソンもそこまで苦ではなくなりました。
L1ボタンを押すことで、2~4倍速で戦闘・移動を行う事ができます。
敵の動きももちろん速くなるため、低レベル×4倍速で突っ込むとあっという間に全滅させられますが、交易品を集めるための素材集めや、クリスタル・グランデなどの移動はかなり楽になっています。
マップ切り替えごとに発動するオートセーブ機能もかなり便利。
オメガmk12や強モブにボコボコにされても、タイトル画面に戻ってすぐロードが可能です。
トライアルモードでもステージ毎にオートセーブされるため、ステージ1でトレジャーから入手できる『ダイヤの腕輪』を入手→本編でトライアルデータをロードを繰り返せば、序盤の金策時間を大幅に節約できます。
セーブ&ロード時間がオリジナル版とは比べ物にならないほど爆速になっている点も特筆すべき改善点の一つ。
その他の変更点について
上記以外でも、一部のアクセサリーの仕様が変わったり、魔法の効果時間が長くなったりと、細かい変更・修正が行われています。
- 透過マップの導入
- ダメージの限界突破表示
- ゲストキャラのガンビットをいじったり、操作が出来る
- 一部アクセサリーの能力修正
- ショップの品揃え、アイテム&魔法の取得タイミングの変化
- 一部アイテム・魔法の名称変更
- 一部雑魚敵の強化
- 逆転魔法『リバース』の強化
- 最強の矛など、トレジャーのリンクシステム撤廃
- フレアなどの高負荷エフェクトによる”順番待ち”が消える
- ハイポ王子が自腹を切らなくなる
左スティックを押し込む事で透過マップが表示されます。
幻妖の森などの一部ノイズが入る地域も有効。迷った時にマップを何度も開く煩わしさから開放されます。
オリジナル版では特定のトレジャーを取ると死都ナブディスで『最強の矛』が取れなくなるなってしまう、という初見殺しのトレジャーリンクシステムがありましたが、ゾディアックエイジでは悪評だったのか撤廃。
目に見えるトレジャーは片っ端から入手して構いません。
また、PS2では、フレア等の派手なエフェクトを多用するとハードが耐えきれず、処理落ちを防ぐために戦闘で”順番待ち”が強制的に発生していましたが、Switch版ではこちらも撤廃されています。
低レベル攻略において最強の魔法である『リバース』の効果時間が伸び、かつ消費MPが少なくなった事により、さらに凶悪になってます。
リボン装備で消えてしまう欠点も消え、MP不足の憂さえ解決すれば、一部の強敵を除けば全滅することはほぼありません。
もちろんヤズマットやアルテマ、トライアルの最終ステージなどはリバースのみでクリア出来るほど甘くは無いので、ゲームバランスを完全に崩壊させるほどの修正ではありません。
あとがき
筆者がFF12を初プレイした当時は、レベルを上げ、ライセンスボードを埋めて正面から殴るだけの脳筋プレーでしたが、低レベルで攻略すると「魔法がこんなに強かったのか」と驚かされます。
召喚獣やボスを含むほとんどの敵には弱点属性が設定されているため、属性強化装備&フェイス状態で弱点をつくと驚くほどの火力。デルタアタックを仕掛ければダメージはさらに三倍、火弱点で耐性がなければオイルでさらに三倍。レベル1でも5桁ダメージは余裕です。
もちろん、戦闘やシステム面だけでなくPS2のオリジナル版からBGMが新録されたり、グラフィックも圧倒的に綺麗になっているので、既プレイの方にも文句無しにお勧め出来る一作です。
Switchでプレイするゲームに悩んでいる方は、是非一度プレイしてみてください!
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