待ちに待った、シザーキーボードに戻ったMacbookair2020!
「次のMacbookシリーズはバタフライボード廃止」という頻繁にリークされる情報を信じ待ち続け、ようやく手元に届きました。
MacbookAir2020から新装された『マジックキーボード』は、概ね評判通りの打鍵感。
僕の持っている2013年モデルのシザーキーと比べると、少々物足りなさは感じますが、不快になったりすることはありません。
静音性もありますし、個人的には満足のいく仕上がり。
そんなキーボードに、あっつあつのコーヒーをぶちまけました。
MacBookにコーヒーを溢した結果と経緯
漫画やアニメなどで、一人なのに喋ったり、悲鳴をあげたりするシーン、あるじゃないですか。
現実世界では、そうそう無い話なんですよね。
海でサメを見かけても悲鳴を上げる前に全力で逃げるでしょうし、高校受験で合格通知を一人で見たとしても心の中で喜ぶだけだし、ハチに刺されても悶絶するだけで「いってぇ!」と叫ぶことは無い。
大抵の人はそうだし、僕もそのうちの一人でしたが、買ったばかりのMacbookAirにコーヒーを溢した瞬間だけは別でした。
「あぁッッッ!ぁああぁぁ〜….」
と人生で発したことのない声が無意識に出たことを、今でも覚えています。
パニック状態ながら急いでその場にあったタオルを放り、逆さにして拭き取ったため、世紀の瞬間を写真に収めていません。反省点の一つです。
溢した後の不具合と症状
さて、コーヒーをぶちまけた結果から話しますが、ハードウェア等内部的な異常はなく、今でも普通に使えてこの記事を書いています。
が、キーボードに関しては完全に元通りにはなりませんでした。
同じようにMacbookに飲み物を溢した友人は「キーが全く受け付けない状態になった」と話していたので、ある程度覚悟していましたが、10分後くらいに電源をつけ直して触ってみると、全てのキーが反応し、特に異常は感じられませんでした。
さらに数時間放置すると、ようやく異常が現れます。
コーヒーに浸った部分のキーを押すと、「パリッ」という不穏な音が……。
キーの内部に侵入したコーヒーが乾き、ポリフェノール的な物が固まってしまったのが原因のようです。
ただ、キーの入力自体は問題なし。
使っていたら元通りになるかもしれない、と儚い望みを掛けて1日放置するも、キートップを押し込んだ際に戻りが悪かったり、異音が目立つようになるなど、症状は悪化。
これはまずい、という事でサポートに問い合わせてみる事にしました。
キーボード修理で気になる事
今からコーヒーをぶちまけた後の処理に関して聞いても仕方ないため、知りたい要件だけ聞く事にしました。
- MacBookAir2020のキートップは取り外し可能か
- 修理費用の価格
僕が最も知りたかったのは、「MacBookAir2020のキートップは取り外せるのか」という点です。
自分で外して症状が解消されるようであれば、修理に出す必要もありませんからね。
シザー式である2013年モデルは、キートップの取り外しが簡単にでき、実際に筆者も何度か外して水洗いをした事があります。
MacBookAir2020に関しては発売から間もない事もあり、残念ながら全く情報がありません。
そして、最終手段(というか最適解)としてはジーニアスバー等での持ち込み修理。
現在離島に住んでいるため、配送修理といった形になるかと思いますが、これらに掛かる料金もついでに聞いてみます。2万円くらいなら出せるっ!
Appleカスタマイズサポートとのやりとり
以下、Appleカスタマイズサポートとのやりとりの概要です。
コロナやAppleの怒涛の新商品発表で問い合わせが混み合っているかと思いましたが、案外すぐに繋がりました。
まずは経緯や症状を簡潔に話し、本題へと入っていきます。
MacBookAir2020は、2013年モデルのようにキートップの取り外しって簡単に出来ますか?
申し訳ありません、お客様ご自身の修理は推奨しておりませんので、お答えできません。
そうですか…….
ちなみに、もし修理となった場合の費用はどのくらいになりそうですか?
修理のご案内を進めるにあたり、ご確認がございます。
修理手配させていただく製品は、MacBookAir2020でお間違いございませんでしょうか?
間違いありません。
ありがとうございます。確認を進めましたが、このMacの修理手配の場合には、85000円での修理が可能です。
無理っ!85,000円は無理!
叫びたくなる気持ちを抑え、サポートセンターへの連絡はこれにて打ち切り。
この時点で、修理という選択肢は消えました。
コーヒーを二回ぶちまけたらアップデートした新品のMacBookAirを買える計算ですし、内部的な異常が見られない現在では、得策では無いと判断しました。
残る選択肢は、キートップの取り外し。
こちらも有益な情報を得られませんでしたが、今の状況を放置しておくよりかはマシ……という事で、人柱になる覚悟で外してみることにしました。
MacBookAir2020のキートップを取り外してみた
「MacBookAir2020 キーボード 修理」
「MacBookAir2020 コーヒー こぼす」
色々なワードで検索をかけましたが、なぜかヒットしません。
この広い世界で、新型MacBookAirにコーヒーをぶちまけた人は、まだ僕だけのようです。
とりあえず、あんまり使わなさそうな『Fn』キーから外してみることにします。
まずは先端が細く、硬い物を用意し、キーの下側に差し込み。
開いたスペースに爪を入れ、徐々に力を入れていくと、パキッという不穏な音と共に、右下のあたりが外れました。
「あ、これはもうダメかもしれんね」と諦めつつ、左下も同様に外してみます。パキッ。
MacBookAir2013であれば、これで取り外しは完了でしたが、なぜか2020ではキートップが外れません。
焦りつつもキートップの上半分に糸楊枝を差し込み、下側に滑らすようにしてみます。
すると、ようやくキートップが外れました。上側部分は強く固定されていないようです。
恐る恐る裏側を見てみると、キートップ接続部分のプラスチックは無事。
※後から気付きましたが、この時点で多分軽微な損傷はしています。
2013年モデルのシザーキーボードと比べると、印象としては若干硬くなっているように感じました。
コーヒーを零していない正常なキーと見比べると、当然ですが内側が汚れています。
破損させないように、繊維の取れない硬めの綿棒、水を含んだティッシュ等で汚れを拭き取り。キートップを取った後の基板部分に対しても、同様に行います。
この時に感じたMacBookAir2020での作業の厄介なところは、どのキーを押しても電源がついてしまうということです。
こういった作業は電源を完全に切った状態が望ましいんでしょうが、やり方も分からないため、気にせず取り外し作業を進めます。
ぶちまけた後の迅速な対応が功を奏したのか、内部への汚れは思ったより酷くありませんでした。
しかし、よく見ると汚れが取れそうに無い部分に多少染みちゃってます。こればかりはどうしようもありません。
打キー時に一番違和感があったShiftキー。外してみるとかなり汚れが目立ってました。
Shiftキーやcaps lockなどは別キーと比べると大きく、さらに金具がついているため、取り外しに苦労します。
他キーと同様に取ってみましたが、無理やり取ってしまったせいか、少し基板部分の金具(食パンについてるアレみたいな形のやつ)が変形してました。良い子は真似をしないようにしましょう。
ある程度汚れを取ったら、キーを取る時と真逆の手順で取り付け。こちらはほぼ押し込むだけなので簡単です。
Shiftキーなどは金具を引っ掛けてから取り付けないといけないため注意。
tabキーが一度陥没してしまうというハプニングがあったものの、無事に取付が完了しました。
キートップを外したその後について
今回、僕がコーヒーを零したのはトラックバッドから左半分のキー。右側部分は全く問題がない状態です。
比較をしてみると、やはり汚れを取っても完全に元通りとはいきませんでした。
押し込んだ際の感触自体は一部のキーを除き、ほとんど改善されましたが、購入当初の打キー時の静音性が失われています。
具体的には、一度キートップを取り外した影響で接続部が損傷したためか、キーに触れて軽く水平に動かすと「カチャカチャ」と甲高い音がします。
正常なキーであれば、これらの音はほとんどしません。
また、左右のShiftキーを比べると、明らかに一度取り外したキーの方が打キー時の感覚が固く、音も大きくなってます。
こちらは目に見える損傷具合だったため、致し方ありません。
僕の場合は改善された部分の方が多かったですが「マシになった」程度の変化です。
恐らく、知らない人がこのMacbookを触ってもキーボードの違和感に気づかないでしょうが、実情を知っている本人だとやはり気になります。
というわけで、キートップの取り外しはやめときましょう。
2013年式のMacBookと違い、容易ではありませんし、異常が出ます。
同様の症状になってしまった場合は、Apple公式のMacBookの修理に出す。これが一番の解決策です。80,000円以上、吹き飛びますが。
今(2020年5月)は発売して間もないため、代行業者も新型の修理は取り扱っていませんが、そのうち過去のMacBookシリーズ同様に修理が始まるでしょうし、それを待つのも一つの手ですね。
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